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プロジェクトストーリー

コンビニ弁当ができるまで

色とりどり、種類もいろいろある、コンビニのお弁当。どのようにして、つくられるかご存知ですか?
ここでは、「新商品ができるまで」をフォーカス。お弁当開発の裏側を、物語形式で、お楽しみ下さい。

※ 実際の商品、登場人物とは異なります。

「健康地鶏の焼鶏重(やきとりじゅう)」誕生秘話

弁当イメージ

食材の組み合わせだけじゃ、ダメだ!」

・・・2週間ほど前、お得意先から出された宿題。
それは、
「なんでもいい、何か、これまでとは違った層の
消費者に受ける、新しい弁当を提案してください。」

というお題であった。

担当したのは、商品開発部、入社4年目の岡崎由香。 企画を出しては没、出しては没、ずっと繰り返している岡崎に、見かねた先輩が、言った。

「どんな人に、どんな価値を届けたいんだ?」

「・・・どんな人に、ですか?」

あまり考えていなかった。 どんな人が、どんなお弁当が食べたいと思っているのか。 岡崎は、周りの人に片っ端から聞いてみることにした。

お弁当は、あまり食べないようにしてる

この間まで、『チキン南蛮最高!』と言ってた同期で総務課の美香は、ダイエットのためにお弁当をやめた。
新人研修でお世話になった斉藤課長は、血糖値を気にしている。

今のお弁当は、皆が好きな、揚げ物がメインである。
学生や若い人には好評だが、ダイエットを気にしている女性や、健康を気にしている人は、
手に取りづらい一面もある。

「満足感もあって、栄養バランスもよく、ヘルシーなお弁当なら・・・!!」

光が見えた瞬間だった。

健康地鶏の「焼鶏重」

そんなときだった。
健康地鶏の仕入れ交渉のさなか、産地で、鳥インフルエンザが発生した。健康地鶏は壊滅状態。
この影響で、国内の地鶏も品薄、価格も一気に高騰した。健康地鶏だけでなく、他の地鶏も手に入らない。

「どうしても手に入らない、いったいどうしたら・・・」

メーカー、商社、食肉以外でも、可能性のある取引先には、かたっぱしから調査した。
見つからない、でも、あきらめられない岡崎は、海外も視野に、何日も調査を続けた。

「あった!見つけた!」

タイの現地大手メーカーが、数年前、日本から健康地鶏を導入、飼育していたのだ。
しかも、飼育環境は、日本と同様。クリーンな環境下。
早速、現地メーカーと提携関係にある、食肉メーカーに協力要請。タイ版「健康地鶏」の確保に動いてもらう。
だが、輸入、という想定外の事態。
必要量の確保、コスト、予算内に収まるのか、そして、納期は間に合うのだろうか。問題はまだまだ山積みだ。

「コスト、納期、まだ、気は抜けない・・・」

一方、品質や安全性の確認も重要。
交渉と同時進行で、現地メーカーの養鶏場や、製造工場の品質管理・安全性・製造体制を確認に、
担当者が現地へ飛んだ。

商品の味付けや調理方法も、タイ版の健康地鶏にあわせて調整する。

数日後、交渉は、無事成立した。
食肉メーカーから、当初の予定量を確保できたとの連絡があったのだ。コストも予算内に収まった。
現地に飛んだ担当者からも、品質OKの報告が届く。

あとは、納期だけだ。もう。時間がない・・・。

最後の関門

「通関、無事切れました!」

ほっと胸をなでおろす。あとは工場納品を待つのみ・・・と思ったのもつかの間、新人担当が何かあわてている。

「すみません、玉子そぼろの手配、落としていました・・・」

玉子そぼろも、健康地鶏の玉子そぼろを使う予定であった。
主役ではないが、彩りや栄養、味のバランスにおいて、「健康地鶏」のグレードにあう、玉子そぼろは、
岡崎のこだわりだった。果たして手配できるのか・・・。

急いで国内メーカーや商社に打診をする。新人担当も、ミスをカバーしようと必死に交渉。
時間がない、でも、ここまで来たからには、妥協はできなかった。

卸先の協力もあって、健康地鶏は無事到着した。

配送トラックから次々と、工場内の冷凍保管庫に運ばれていく。
と、別の原料保管庫にも、入荷したばかりの食材が。外箱には・・・「光恵卵」たまごそぼろ

健康地鶏ではないが、同種のブランドを、新人担当が間に合わせたのだ。

商品を作るということ

そして、数日後。

コンビニのお弁当コーナーに岡崎はいた。 お弁当コーナーで、お弁当を選ぶ人々を見ながら、先輩の言葉を思い出していた。

どんな人に、どんな価値を届けたいんだ?

そこへ、女性の2人組が現れた。

「あ、これこれ、焼鶏重。おいしくてヘルシーだよ。」
「ちょうど2つじゃん、よかったー。」

焼鶏重を手に取り、笑顔でレジに向かう2人。岡崎の思いが、実現したのだ。

頑張って、よかった。

どんな人に笑顔を届けたいか、どんな価値を届けたいか、具体的にイメージすること。 実現のためには、多くの情報収集と、行動力も、重要であること。 最後まで、あきらめないこと。 今回を通じて、多くのことを学んだ。

もっともっと、たくさんの人に喜んでもらえるよう、頑張らなきゃ!

岡崎の挑戦は、まだ始まったばかりだ。